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電子メールシステムの歴史(黎明期)-2

 2台の大型コンピュータ間で電子メールの送受信に成功したとされているのが、1972年3月の「レイ・トムリンソン」なる人物による実験である。この時の SNGMSG という電子メール送信プログラムと READMAIL という電子メール受信プログラムが現在の sendmail といったような電子メール処理サービスの礎になっているからである。
 レイ・トムリンソンなる人物が構築した電子メール送受信システムはこんな感じである:
img1_03.gif


 このときに使われた大型コンピュータは、PDP-10という DEC社のものである。
双方のコンピュータを ファイル転送プロトコルの FTP に似た CRYNET という名前の独自プロトコルで接続し、通信回線を介してファイル転送を行う形で、電子メールの送受信を行う仕組みであり、現在の電子メールの原型となるシステムがここで誕生した。
また、このときに初めて ユーザ名@ホスト名という、現在使われているメールアドレスの原型が採用された。
また、同じ年の7月に、「レイリ・ロバート」なる人物がメーリングリスト(ML)のシステムプログラムを開発している。
このようにして、電子メールシステムは、Unix が普及する以前に、大型コンピュータのユーザである、企業や大学で先ず普及していくのである。

 さて、現在のインターネットの原型となっているのが、1969年にアメリカで発足した ARPANET というものである。
 1972年には、接続拠点がアメリカ国内で30ヶ所に迫り、電子メールの有用性が急速に認められ、普及するのである。

 そのときに「レイ・トムリンソン」が開発した電子メール処理プログラムは、送信用に MAIL、受信用に MLFL という名前となって、 ARPANET に接続される大型コンピュータに導入された。
 これは、現在ではファイルを転送するときに用いる FTP を使うように改造されたもので、電子メール転送は、FTP プログラムの応用機能だった、という訳である。
だが、翌年1973年には、ARPANET を飛び交う通信情報の75% 前後が電子メールである、という状況になっている。
 こうして、大型コンピュータのユーザで且つ ARPANET に接続している拠点同士であれば、遠隔地であっても郵便配達よりも速くメッセージ交換ができる電子メールは無くては困る存在になったのである。

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