電気の世界は小宇宙の物理という項で、人間は「自由電子の移動」を「電気が流れる」「電流が流れる」と言っていると述べた。「自由電子」は、原子核から離れて自由の身になった電子であるから、マイナスの電気を持っている。
なので、電気の流れは本来「マイナス極からプラス極」である。

しかしながら、我々が普段扱う電流の向きは、常にプラス極からマイナス極である。
この矛盾点は、雷が電気であることを実験で証明したアメリカのフランクリンなる人物が、1733年に便宜的に決めたものの、不都合が特に無かったために 170年ほどの月日が流れたが、20世紀になってようやく、1904年にイギリスのトムソンなる人物が、電流は自由電子の移動であることを発見・発表するまでは、電気というものがよく判っていなかったことによるものである。
しかしながら、電流の移動方向を実態に合わせてしまうと、この170年の間に発見・蓄積された法則などが一部定義を逆にしなければならないなどの不都合の方が多いという現実と、電流の移動方向の定義と実際の自由電子の移動方向が違っていても、特別困ることが無いため現在に至っているという訳である。
実際、多くの電磁気関係の法則や計算を行う場合は、常に電流の移動方向(プラス極からマイナス極)で物事を考える。
