« 電気抵抗 ― 自由電子の流れにくさ度合い-2 | メイン | 再び電力量の話しと変換効率 »

電力 ― 自由電子が行う仕事の能力

 私達は、電気を光エネルギーに変換して照明機器に利用したり、熱エネルギーに変換して暖房機器に使ったり、動力エネルギーに変換して、掃除機やモーターなどの機器に使ったり、ラジオやテレビジョン受像機、パソコンなどの情報通信機器に利用して情報収集・情報交換に使ったりしている。
 この過程で、これらの機器は所定の機能を果たすのと引き換えに「消費電力」を発生する。
 仕事の効率自体はどうであれ、電気が仕事をすれば、必ず「消費電力」が発生する。
 
消費電力は、電気が1秒間に行うことが出来る仕事能力を意味し、以下で示される:
電力=電圧×電流
または
P=VI ……(4)

(代数式では、P:電力、V:電圧、I:電流 を示すのが一般的である)

 電力は、W(ワット) という単位である。ワットもまた人名で、18世紀後半にイギリス・スコットランドで蒸気機関を発明した人物である。

 電気の世界での電力は、単純に電圧と電流の積で表される。
 なぜ、1秒間あたりの仕事能力が電力なのか ― 電流の1A(アンペア)が1秒間の自由電子通過量 約 6.24×1018 個を指すことを思い出していただきたい。
 1V(ボルト)の電圧で、1A(アンペア)の電流が流れている機器があれば、その機器の消費電力は1W(ワット)である。
 さて、ワット数の大きい機器の方が消費電力が大きい反面、仕事能力も大きい。

 このことがよく判るのが、湯沸しポットである:
 最近販売されている電気湯沸しポットは、700W で 3リットル~4リットルのものが多い。
 また、小さい電気湯沸しポットは、400W で 1リットルのものが多い。

 仮に 700W で 3リットルの電気湯沸しポットと、350W で 3リットルの電気湯沸しポットがあると仮定し、20℃の水を 95℃にまで沸かすのにかかる時間は、一例として、概ね以下のようになる:

 700W の電気湯沸しポット: 約 24分
 350W の電気湯沸しポット: 約 48分
※ 実際には、損失(無駄になる熱)があるため、メーカや製品機種により異なる

 同じ温度で同じ容量の水が同じ温度になるために必要な熱エネルギーは同じである。
 
この例では 3リットルで 20℃ → 95℃ だから、  (90-25)×3000 = 225kcal (キロカロリー) …… (5)
 である。(水 3リットルは 3000gであることに注意。

 湯沸しポットから 225kcal 以上の熱を貰わないと、3 リットルの水は 95℃まで上昇しない。
 225kcal の熱量を発生するのに何分かかるか計算すると、700W の電気湯沸しポットで 約22.5分、350W では倍の時間の約 45分である。
ところが、実際には無駄になる熱があるため、計算値よりすこし長くなるのである。
Powered by
Movable Type 3.34