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電流が流れると磁界が発生する-1

 最初に「導線に電流を流すと、導線の周囲に磁気(磁界)が発生する」と述べた。
 これは簡単な実験で確認できる:
img2_21.jpg img2_22.jpg
予め、方位磁針を南北を指すように合わせておき、その上に電池や豆電球などを接続した導線を這わせて、電流を流してみる。当然のことながら、電流が流れれば豆電球が点灯する。
 そのときの方位磁針の向きを確認してみよう。向きが変わっているはずである。上記の画像でもそれが判るだろう。
 この画像では、赤の導線がプラス、黒の導線がマイナスである。

 この場合は、導線に発生した磁界により、方位磁針の針から見て右側から左側方向の磁力線が発生しているので、その磁力線に反応し、北を指していたはずの方位磁針の針が大きく振れたのである。

img2_23.gif
こうした電流と磁界の関係を示したのが、アンペールの右ねじの法則というものである。
右ねじは、ドライバなどの工具を使って右に回すと、奥に入っていく。これに例えて、ねじの進む方向を電流とすると、ねじを回している方向に磁界が発生する、という内容の法則である。
 また、アンペールは、発生する磁界の強さと電流の強さの関係を明らかにしている。
 これは、単にアンペールの法則と呼ばれている:

I=2πrH ……(6)
(I:電流、π:円周率、r:導線からの距離、H:磁界の強さ)

 つまり、電流が強いほど、導線の周囲に発生する磁界も強くなるという関係式である。
 導線の周囲に発生する磁界は、導線を中心とする同心円状に発生する。

 ここで、磁界の向きとは、N極からS極へ向かうような向きの磁力線であると考えると良い。
 方位磁針のN極側は、丁度、N極とN極が反発する方向の磁力線で左側に押し出され、反対に方位磁針のS極側は、丁度、S極とN極が引き合う方向の磁力線で右側に引っ張られるため、全体として、左に少し回転したという訳である。

コラム:磁界と磁場
 「磁界」と「磁場」は、電気と磁気の関係を説明する時に共によく出てくる言葉である。
 高等学校の物理、大学での電磁気学やこの分野を専門に扱う学者・研究者達はおもに「磁場」という言葉を用いる。
 しかし、筆者のような現場の技術者はおもに「磁界」という言葉を用いる。

 つまり、「磁界」も「磁場」も意味は同じなのである。
 ややこしいので、どちらかに言葉を統一してもらえればいいのだが、現実には、複数の分野が絡み合ってひとつの技術が出来上がっている現場の技術者は、他の技術分野との整合性があって「磁場」というのは合わないし、かといって電磁気学を専門に扱うと、「磁界」というのは言葉の整合性に乏しいという事情があるようで、言葉の統一は無理な注文のようである。

 筆者は現場に赴く技術者であり、学者や研究者ではないので、ここでは「磁界」という言葉で統一させて頂く。
 そのため、言葉の間違いではないということに留意願いたい。

また、材質によって、磁石によく吸い付くものとそうでないものがある。
 磁石に吸い付く力が強い材質は、「磁性体」と呼ばれ、磁石に吸い付く力が全くない材質は「非磁性体」と呼ばれる。
 磁性体のうち、磁気が残って永久磁石になってしまうような材質は、特に「強磁性体」と呼ばれる。
 さらに、磁石に吸い付く力が弱いものの、そのような性質が認められる材質を「弱磁性体」と区別することがある。

 強磁性体には「ニッケル」「鉄」が代表的である。
 磁性体には「シリコン」などがある。
 プラスチックやセルロイドなどは非磁性体である。

さて、電流を流すことで磁界が発生することを積極的に利用し、応用しているのが電磁石である。
 今までに出てきた磁石は、永久磁石というものである。通常、単に「磁石」という場合は一般的に「永久磁石」を指す。

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