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ラジオの要(かなめ)― 直列共振回路・並列共振回路

 ラジオに限らず、通信機器を初めとする無線装置には、共振回路は欠かせないものである。
 コイルとコンデンサの組み合わせで起きる自然現象を巧みに利用して、希望する周波数の放送局を選択するという、ラジオを初めとする無線装置が持つ基本的且つ必要不可欠な機能を実現しているのである。
共振回路には、「直列共振回路」と「並列共振回路」の2種類がある。両方とも使われている。
 そもそも、「共振」とはどのような状態を指すのだろうか。
 まずは、下図のグラフを見て頂きたい。
img4_29.gif  img4_28.gif
        (直列共振回路の場合)                (並列共振回路の場合)
 ここまでの説明で、誘導性リアクタンス XLは周波数に比例し、容量性リアクタンス XC は周波数に反比例することを説明してきた。
 となると、コイルのインダクタンスとコンデンサの静電容量を一定にしたときに周波数を変化させると、どこかで誘導性リアクタンスXL と容量性リアクタンスXCの値が同じになる周波数があるはずである。
 実際、周波数とリアクタンスの関係をグラフにしてみると、そのような点が明確に現れる。
 このとき、電気的にはコイルとコンデンサがあたかも存在しないような状態になり、これが「共振」という自然現象である。つまり、誘導性リアクタンス XL = 容量性リアクタンス XC になった状態である。
 共振が起きたときの周波数を「共振周波数」と言う。「共振周波数」は、しばしば f0 という記号で示される。
 しかしながら、共振時の挙動が、直列共振回路と並列共振回路で異なるので、次にこの挙動について説明を行う。

■ 直列共振回路の場合
img4_29.gif
再度、左のグラフを見て頂きたい。
共振周波数f0では、合成リアクタンスが0Ωになっていることが判るかと思う。
更にその時は、誘導性リアクタンス XL = 容量性リアクタンス XCになっていることも判るかと思う。
コイルとコンデンサは直列接続なので、このとき(=合成リアクタンスが0Ω)は、コイルもコンデンサも見かけ上存在していない状態で、抵抗だけが残る形になる。
また、共振周波数ではリアクタンスが0Ωになることから、インピーダンスも最小になる。そのため、共振周波数付近だけの電流が大きくなる。
それ故、直列共振回路の特徴でもあるが、コイルとコンデンサに加えた電圧の数倍~数百倍の電圧が発生する。
 上記グラフ内に示した直列共振回路の両端に、共振周波数で交流2Vの電気を流すと、コイルとコンデンサに数百Vの電圧、例えば400Vや500Vといった電圧が発生するのである。
 実際には、コイルの巻線自体が抵抗になるので、過大な電流は流れず、故にコイルやコンデンサに発生する電圧もせいぜい数百倍止まりである。

共振回路の性能を表すひとつの指標に「Q」(Quality factor) というものがある。単位は無い。
直列共振回路における「Q」というのは、特定の周波数における、抵抗:リアクタンスの比で、単に「Q」という場合は、共振周波数における「Q」の値を指す。
理想的な直列共振回路では、共振周波数 f0 では、Qは無限大になるはずである。

ところが通常は、コイルにそれ自身の巻線による抵抗分があるため、決して無限大になることは無い。
左の図のように 100 ~ 300 程度であることが多い。
共振周波数では、直列共振回路の両端の電圧のQ倍の電圧がコイルやコンデンサの両端に発生する。この例ではQは約 105程度なので、共振周波数で交流2Vの電気を流すと、コイルとコンデンサには、105倍の 210V の電圧が発生することになる。
ラジオを初めとする無線通信機器では、共振周波数 f0 を設計途上で使うことが多々ある。
 直列共振回路の共振周波数は、以下のようにして導き出すことができる:
img4_31.gif
左記の(13) 式は、よく使われる式である。

πは、円周率そのものを示し、小学生の頃に 3.14 と習った方が大半であろうかと思うが、こういう技術的分野では、小数点以下2桁では、誤差が大きくなりすぎる場合が時々あるため、3.1416 で計算(小数点以下4桁で計算)するように癖をつけると良い。
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