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遠距離へは電離層と地表で反射しながら

 電波のうち、波長の長い周波数帯(長波・中波・短波)は、それら自身が持つ電波伝搬上の特質から、中距離・長距離通信に用いられる。
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左の図は、地球の上空がどうなっているかを極めて簡潔に示したものである。
実際の地球上空はもっと複雑で、例えば、上空 20km ~ 25km 付近には、生態系に有害な紫外線の大半を吸収するオゾン層が存在するが、電波の伝播の話題の上では影響を与えないので、省略してある。

電波の伝播に影響を与えるのが、3つないし4つある「電離層」と呼ばれるものである。電離層の科学的発見は比較的新しく、1924年にイギリスの「エドワード・アップルトン」という学者によるものである。
1924年以前にも、地球上空には電波を反射する性質を有する目に見えない層があるようだ、ということが経験則的に知られていたが、科学的な実験などでその存在を証明したのが、この人物が最初だった、という訳である。
1924年に発見された電離層は、上記の図で示す「E層」と呼ばれる電離層である。
 その後も、同じ人物によって、1926年に F層、1931年にD層の存在を確認している。発見当初、F層は1つの分厚い電離層と考えられていたものが、その後の研究によって2つに分かれるようだ、ということが判明し、F1層、F2層となった経緯がある。

■ そもそも「電離」とは?
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この図に見覚えがある人がいるかもしれない。
 これは、電気の世界は小宇宙の物理現象 の項目で、自由電子を説明する時に用いた図である。
 地球上空は、地上よりはるかに薄いものの、窒素や酸素といった気体の形で元素(原子)が存在し、昼間は地表付近のように雲が存在しないために、太陽からの直射日光が容赦なく降り注ぐ。
 左の図では、「外部エネルギー」が自由電子を生み出す様子を図にしてあるが、これと同じことが発生しているのが「電離層」である。

 電離層の場合、外部エネルギーは主に太陽光の中に含まれる紫外線である。そして、電子が少なくなった原子と自由電子が共存している状態を特に「電離」という。太陽光が降り注ぐ限り、電離は起き続け、浮遊する自由電子の数が必然的に多くなるので、「電子密度が高くなる」のである。一方で夜になると太陽光が当たらないため、今度は電離していた原子・自由電子が再び結合していくので、浮遊する自由電子の数は減っていき、「電子密度が低くなる」のである。
 電離層自体の電子密度は、D層、E層、F1層、F2層の順に高くなっていく。そして、電子密度に比例して、反射することが出来る電波の周波数も高くなる。

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