■ スーパーヘテロダイン方式
現在主流になっている受信機の回路方式のひとつである。
現在、殆どの中波放送用受信機は、スーパーヘテロダイン方式である。

現在主流になっている受信機の回路方式のひとつである。
現在、殆どの中波放送用受信機は、スーパーヘテロダイン方式である。

スーパーヘテロダイン方式は、1918年にアメリカの発明家である、エドウィン・アームストロングなる人物によって発明された受信機の回路方式である。
この方式のポイントは、「中間周波数」という概念である。
1918年頃といえば、1000kHz とか 1200kHz といった周波数帯域の増幅は技術的に難しかった。そのため、ヘテロダイン機構を使って、増幅しやすい一定の比較的低い周波数に変換し、それを増幅することで、受信感度や選択度を飛躍的に向上させることが出来る仕組みが考案されたのである。
スーパーヘテロダイン方式においては、中間周波増幅回路にて大きく感度を上げることが出来るため、普及版の安価な中波放送用受信機の場合は、高周波増幅回路が無い受信機が多い。

再び、ヘテロダインの概念図である。
スーパーヘテロダイン方式においては、周波数変換は、周波数混合回路そのものである。
ヘテロダイン方式と異なるのは、この時点で直接復調するのではなく、搬送波の周波数を受信周波数に関係なく、一定の中間周波数に維持するようにするところである。
実際の中波放送用のスーパーヘテロダイン方式には、幾つかの中間周波数が使われているが、最も多く採用されているのが、455kHz である。中波放送は、526.5kHz から 1606.5kHz までの範囲なので、| f1 - f2 | (f1とf2の周波数差)が常に 455kHz になるように局部発振回路の発振周波数を希望する放送の受信周波数に合わせるようにすればよい。

左図は、実際の周波数変換の様子を図示したものである。
局部発振回路は、常に受信したい放送周波数より中間周波数分高い周波数を発生し、受信したい周波数に関係なく中間周波数の 455kHz が得られるように、同調回路と連動した動作をとる。
周波数混合の際、2455kHz と 455kHz の周波数が現れるが、欲しいのは 455kHz の方だけなので、455kHz 付近だけを通過させる中間周波トランスを用いて、2455kHz の信号をカットする。
ここで、f1 と f2 の周波数差が 455kHz でありさえすればよいわけなので、上図のように 455kHz 高い局部発振でなく、455kHz 低い局部発振でも、| f1 - f2 | は同じ結果になる。
周波数変換において、f1 < f2 の場合(受信周波数<局部発振周波数)を「上側ヘテロダイン」、f1 > f2 の場合(受信周波数>局部発振周波数)を「下側へテロダイン」と言って区別している。
中波放送用の受信機では、殆どが「上側ヘテロダイン」、日本国内のFM放送用の受信機では、殆どが「下側ヘテロダイン」が採用されている。
さて、中間周波トランスの中身は、455kHz に対応する共振回路である。455kHz の同調回路であるといっても差し支えない。中間周波増幅回路は、単純に 455kHz の信号を増幅するだけである。
また、復調回路は、基本的にストレート方式の受信機と同じものである。
短波用受信機やその上のVHF(超短波)やUHFの受信機では、周波数変換が多段構成になっているものも多い。

スーパーヘテロダイン方式には、周波数変換の段数で、シングルスーパヘテロダイン、ダブルスーパーヘテロダイン、トリプルスーパーへテロダインとある。 一般的な中波放送受信機は、ほぼ全てシングルスーパーヘテロダインである。 一部の短波放送受信機や通信型受信機は、ダブルスーパーヘテロダイン、専門家が使用するような高度な広帯域受信機の中にはトリプルスーパーヘテロダインのものもある。 ダブルスーパヘテロダインやトリプルスーパーヘテロダイン受信機のカタログを眺めると、第1中間周波数・第2中間周波数、と言った記述が見られる。
これは、受信機の内部がダブルスーパヘテロダインやトリプルスーパーヘテロダイン方式であることを示すのと同時に、受信機の機能や性能を判断するひとつの目安になる。
