●載った店、予約殺到
「予想を上回るというか……すごい」。
三つ星を獲得した銀座の「鮨・水谷」では発表の翌20日、午前9時から12時間にわたって1、2分に一度は電話が鳴り続けた。親方以下4人の店で、普段は調理も担当する林ノ内勇樹さん(26)は「おかみさんと交代で電話を取ったが、他の仕事がまったくできなかった」。
年内は予約で埋まり、1月の予約を希望する電話が相次ぐ。でも「常連さんが来られなくなる」ので、年明け以降の予約は受け付けないでいる。
同じく三つ星を得た日本橋人形町の料亭・濱田家は、もともと常連やなじみ客がほとんどだが、発表後は、ネットで探して電話してきたという予約客が急増した。
受話器を置いた途端に次の電話が鳴る。その対応に追われながら、おかみの三田啓子さんは「うれしさよりむしろ緊張している。よりよい料理を提供したい」と話した。
●記者が初体験 うまい…でも2人で5万円
三つ星を取った8店に記者と名乗らず電話してみた。どこも予約が取れなかったが、急に空席が出たフランス料理「ロオジエ」(東京都中央区)に夜、2人で出かけた。
玄関で女性スタッフが迎える。やや緊張しながら2階へ。案内されたのは12卓のこぢんまりした部屋。客は40~50代、スーツ姿が多い。外国語の会話も聞こえる。
最も安い「季節のディナー」(1万8000円)を恐るおそる注文した。
まずは、赤いほおずきのようなパプリカのゼリー。前菜はマダイのカルパッチョなど。魚料理はウナギ。メーンはよく見る薄切りと違って分厚く肉汁たっぷり長さ12センチのカモのローストだった。
初めての三つ星体験。値段はペリエとエビアン(計2200円)とワイン2杯ずつを含め、2人で計5万1744円。普段は社員食堂の定食や丼もの、コンビニ弁当など500~700円程度の食事が多い。一夜でその約35~50回分を食べた計算になる。夢見心地のひとときだったが、会社に戻る道すがら「でもこのおいしさは値段に釣り合っているのか」と話し合った。フランス料理の素人には答えは出なかった。
「ミシュランガイド東京2008」に選ばれた店
調査員5名(内日本人2名)
ミシュランが付けた星の定義
☆☆☆ 三つ星レストラン・・・8店
そのために旅行する価値がある卓越した料理
いつでも非常に美味しく、時に驚くほど見事である。最高の素材で、独創性豊かな料理
を提供してくれる。
☆☆ 二つ星レストラン・・・25店
遠回りしてでも訪れる価値がある素晴らしい料理
熟練した技術と丹念な仕事がうかがえる。目を見張るような価値がある。
☆ 一つ星レストラン・・・117店
そのカテゴリーで特に美味しい料理
常に良質な料理を提供している。
ミシュランの広報
「レストランを格付けするのが我々の目的ではなく、あくまでも、公正中立な評価を読者
に伝え、満足してもらうこと」
